ここ数日話題なので便乗。長文

発端のレスとかはアレなので載せないとして、問題になったのは
接死は継続的効果を発生させているか?
ということでした。感染、萎縮、絆魂についても同様です。

まず
702.2a 接死は常在型能力である。
702.89a 感染は常在型能力である。
702.79a 萎縮は常在型能力である。(後略)
702.15a 絆魂は常在型能力である。

604.2. 常在型能力は、継続的効果を発生する。その中の一部は軽減・置換効果である。これらの効果は、常在型能力を持つパーマネントが戦場にあってその能力を持っている間、あるいはその能力を持つオブジェクトが該当する領域にある間、持続する。


以上より「継続的効果を発生させている」ことはまず導けるのですが、
じゃあ発生させている効果って何?
との疑問が生まれます。

611.1. 継続的効果は一定のあるいは不定の期間、オブジェクトの特性を変更したり、オブジェクトのコントローラーを変更したり、プレイヤーやゲームのルールに影響を及ぼしたりする。継続的効果は、呪文や能力の解決、あるいはオブジェクトの常在型能力によって生成される。

とあるので、(書いてあることだけ考えれば)

・オブジェクトの特性を変更したり
・オブジェクトのコントローラーを変更したり
・プレイヤーやゲームのルールに影響を及ぼしたり

するようです。

接死らがコントローラーを変えていないのはわかると思うので割愛して、
109.3. オブジェクトの特性とは、カード名、マナ・コスト、色、色指標、カード・タイプ、特殊タイプ、サブタイプ、ルール文章、能力、パワー、タフネス、忠誠度、手札補正子、ライフ補正子のことである。オブジェクトはこれらの特性の全てを持つこともあるし、一部だけを持つこともある。それ以外の、カード、呪文、パーマネントに関する情報、例えば、パーマネントがタップされているかどうか、呪文の対象、オブジェクトのオーナーおよびコントローラー、オーラが何にエンチャントしているか、などは特性ではない。

接死らは、それらが書いてあるオブジェクトの特性を直接変更しているわけではなさそうです(根拠はない)。ルール文章として書いてありますが、それは「書かれている」だけで「変更している」わけではないのではなさそう。

というわけで
702.2b 0点でない戦闘ダメージが接死を持つ発生源によってクリーチャーに割り振られた場合、それはそのクリーチャーのタフネスによらず致死ダメージとなる。

というあたりで、(ダメージに関する)ゲームのルールに影響を及ぼしていそうです。ちなみに、MTG質問箱はそのように解答していました。

ここで疑問になるのは、「ゲームのルールに影響を及ぼす」「ゲームのルールを変更する」ってそもそも何?という。

接死らと異なり「ゲームのルールを変更する」と(一字一句同じではないですが)明記している能力もあります。
702.19a トランプルは、攻撃クリーチャーの戦闘ダメージの割り振りのルールを変更する常在型能力である。トランプルは、ブロック時や戦闘ダメージ以外のダメージを与えたりする時には特別な影響を及ぼさない。

トランプルに関するルールは、これ以降にどう変更するかが細かく書いてあります。509項には直接トランプルが変更するルールについて言及している文章はありません。(見落としていたらごめんなさい)

しかし同じ記載でも
702.7a 先制攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。

510.5. 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃(rule 702.7 参照)や二段攻撃(rule 702.4)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったクリーチャーか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。

こちらは以上の通り戦闘ダメージステップの項目にも記載があります。

戦闘ダメージステップの項目に書いてあるのに、「変更する」とはどういうことなのでしょう。変更されるまでもなく書いてあるのに…?

おそらくこれは、(ルール的根拠ははぶいて、一旦直感に戻った)「基本的なルール」から逸脱するものを「変更する」としているのではないでしょうか?
《灰色熊》と《昆虫の逸脱者》でそれぞれNAPを攻撃するとき、ブロックに関して制限の有無が生まれます。NAPが《灰色熊》で《昆虫の逸脱者》をブロック出来ないのは、《昆虫の逸脱者》が飛行を持っているからです。
509.1a 防御プレイヤーは、どのクリーチャーがブロックするかを選ぶ(この選択は任意である)。選ぶクリーチャーはアンタップ状態でなければならない。選択したクリーチャーのそれぞれについて、防御プレイヤーは、ブロック先として自分またはそのコントロールするプレインズウォーカー1体を攻撃してきているクリーチャー1体を選ぶ。
509.1b 防御プレイヤーは、自分のコントロールする各クリーチャーが何らかの制限(そのクリーチャーではブロックできない、あるいは何らかの条件を満たさない限りそのクリーチャーではブロックできないという効果)があるかどうかを確認する。制限に違反していた場合、その指定は適正ではない。
 この制限は回避能力(攻撃クリーチャーの持つ、ブロックされうる相手を制限する常在型能力)によって生成されることがある。適正なブロックが指定された後で攻撃クリーチャーが回避能力を得たり失ったりしても、そのブロックは影響を受けない。異なる複数の回避能力がある場合、それらはそれぞれに有効である。
例:攻撃クリーチャーが飛行とシャドーを持っていた場合、飛行を持っていてシャドーを持っていないクリーチャーはそれをブロックできない。

《灰色熊》で《灰色熊》をブロックする際には、509.1aに従いながらも、509.1bには抵触しません。ルールがあるにもかかわらずです。これは単に制限を受けていないからです。
逆に、《昆虫の逸脱者》は《灰色熊》にブロックする際に制限をかけます。これは《昆虫の逸脱者》が飛行を持っているからです。
ルールは盤面の状況にかかわらず存在していますが、実際に適用されるかどうかは盤面の状況によります。この実際に適用されるかどうかに影響を及ぼすことこそが「ルールを変更する」にあたるのではないでしょうか?


これらのことを考えると、接死らは「ゲームのルールを変更する」と書いていないにもかかわらず、その能力の有無によって以下のようにダメージの結果が変更されるため、「ゲームのルールを変更する継続的効果」を発生させているといえるのではないでしょうか。
119.3. ダメージは、受ける側がプレイヤーであるかパーマネントであるか、また発生源や(ダメージを受けるのがパーマネントであれば)受ける側の特性に応じて、以下の1つ以上の結果をもたらす。
119.3a 感染を持たない発生源からプレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーのライフをその量だけ減らす。
119.3b 感染を持つ発生源からプレイヤーに与えられたダメージは、そのプレイヤーにその量の毒カウンターを置く。
119.3c プレインズウォーカーに与えられたダメージは、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターを取り除く。
119.3d 萎縮や感染を持つ発生源からクリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーにその量の-1/-1カウンターを置く。
119.3e 萎縮も感染も持たない発生源からクリーチャーに与えられたダメージは、そのクリーチャーが負う。
119.3f 絆魂を持つ発生源から与えられたダメージは、他の結果に加え、その発生源のコントローラーにその量のライフを得させる。

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