箱の解答に私ごときが解説(茶々?)を入れることほど野暮なことはありませんが…
とても興味深い事例を見つけたので。

https://twitter.com/hyoutodoroki/status/1040147220207558656?s=19
@testing_box 失礼します。《ナーガの神託者》の能力の解決時、見えたカードが上から《運命のきずな》《島》《森》でした。続く能力の処理で《運命のきずな》を墓地に置き、上から《森》《島》の順番でデッキトップに戻そうと考えています。このときの処理はどのようになりますか?
https://twitter.com/testing_box/status/1040252202130919425?s=19
. @hyoutodoroki 《運命のきずな》をライブラリーに入れて切り直した後で、残りの2枚を好きな順番でライブラリーの上に置きます。(《悟りの教示者》などと似た処理になります)


登場するカードのテキストは次のとおりです。

《ナーガの神託者/Naga Oracle》
ナーガの神託者が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上からカードを3枚見る。そのうちの望む枚数をあなたの墓地に置き、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で戻す

When Naga Oracle enters the battlefield, look at the top three cards of your library. Put any number of them into your graveyard and the rest back on top of your library in any order


《運命のきずな/Nexus of Fate》
このターンに続いて追加の1ターンを行う。

運命のきずながいずれかの領域から墓地に置かれるなら、代わりに運命のきずなを公開し、オーナーのライブラリーに加えて切り直す。

Take an extra turn after this one.

If Nexus of Fate would be put into a graveyard from anywhere, reveal Nexus of Fate and shuffle it into its owner’s library instead.


《ナーガの神託者》の能力を解決する際に、《運命のきずな》を墓地に置くことによって、「ライブラリーの上からN枚を見て好きに戻す」ことと「ライブラリーを切り直す」ことが同時に起こります。
(私はカンマやピリオドや"then"ではなく、"and"で区切られているイベントは同時に起こると考えています。)

「見る」ことは「公開する」のルールに準じます。
701.15a カードを公開するとは、そのカードをしばらくの間すべてのプレイヤーに見せるということである。効果によってカードが公開される場合、その効果のそのカードに関係する部分がすべて終わるまで公開され続ける。呪文を唱えるコストや能力を起動するコストとしてカードが公開される場合、そのカードはその呪文や能力が宣言されてからスタックを離れるまでの間公開され続ける。
701.15b カードを公開することは、そのカードの存在する領域を変更しない。
701.15d プレイヤーに、1枚または複数のカードを見るように指示する効果が存在する。カードを見ることは、そのカードがその特定のプレイヤーにだけ見せられることを除いて、カードを公開することに関するルールに従う。

赤字で強調したとおり、「見る」を行う間もそれらのカードは依然としてライブラリーにあります。

「切り直す」場合、その領域にあって関係するもの全てを無作為化します。
701.19a ライブラリーや裏向きのカードの束を切り直すとは、その中でカードを、どのプレイヤーにも順番が分からなくなるように無作為化することである。


つまり、《ナーガの神託者》の能力は、置換効果を適用すると
「3枚見る、ライブラリーを切り直す、(と同時に)ライブラリーの一番上に残りを置く」
となりますが…

「残りを置く」?どうやって?
紙のマジックなら、確かに見ているカードを物理的に分離していますが、論理的にはライブラリーにあるため切り直されてしまうでしょう。

ここで先ほど青字にした部分を考えます。
効果によってカードが公開される場合、その効果のそのカードに関係する部分がすべて終わるまで公開され続ける。

「見る」は「公開する」に準じますので、つまり、「3枚見る、(略)、好きに戻す」が完了するまで(片方のプレイヤーに)公開され続けているのではないでしょうか。

だからどうした?切り直されてるじゃないか!って思いますよね。私もそう思います。
結局のところ、好きに戻すはずのN枚は依然として切り直されてしまっているのです。
しかし、ライブラリートップに置くまで、それらのカードの公開は終わっていません。それらを見ていたプレイヤーは、依然としてそれらのカードを見ます。
つまり、効果がそれを見ることを許可している以上、切り直されてライブラリーの中にあったとしても、それらのカードを追跡することができて、ライブラリートップに戻すことができるのではないでしょうか。

論理的には、カードが片方のプレイヤーに見えているままライブラリーを無作為し、片方のプレイヤーに見えているカードを抜き出して、ライブラリーの一番上に戻す、という挙動になるのでしょう。
「抜き出す」の部分が非常に奇妙ですが、効果がそれを指示しているのですから、それに従わない理由はありません。
そして、実際の紙のマジックでは、物理的に分離しておいて「抜き出す」部分を新たな無作為化なしに実現しているのですね。

《リム=ドゥールの櫃》が何故機能するかも、「それが公開され続けているから」と考えられるのではないでしょうか。

そんなところで。コメント大歓迎です。

コメント

りょみたか
2018年9月14日13:22

701.15cを見る限り「切り直されても公開され続ける」という部分は怪しいですが、701.15a(の私の読み方)と直接矛盾しているため、なんとも。

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