コーナーケース箱 その2
2018年10月30日 ルール考察 コメント (3)第2回です。ヒマだなこいつ
※私の個人的な見解です。公式性はありません。
※11/1追記しました。
《レンの書庫》は以下のルールによりフォローされています。
ポイントは、
・捨てるイベントの最中、(行き先が変更される上)公開されない
・特性が"未定義"となる
ことです。
素直にCRを読むと、捨てるカードの特性を必要とするコストを支払うためにカードがこの方法で捨てられた場合、そのコストの支払いは不正である。とあります。
《レンの書庫》によって捨てることが置換されるときは、特性をピックアップすることができないため、そういったコストは支払えない、ということです。
おそらく質問された方はもうひとつ、以下の疑問点を持っておられるのではないでしょうか。
「呪文の解決中に『~~する、そうしたなら~~』が起こったとき、それって効果なのか?コストなのか?」
以下のルールから導けます。
つまり、呪文の解決によって何かをするのは、全て効果です。かつ、その中で「なにかする、そうしたならなにかが起こる」と書いてあるときの「なにかする」はコストです。効果とコストはつい対比して考えがちですが、言うなれば「効果の中でコストを支払う」といえるでしょう。
例えば、《知識の渇望》であれば、「3枚引く、アーティファクト捨てるか2枚捨てるか」までが効果です。その中で、「アーティファクト捨てる」がコストにあたります。
さて、本題に戻ります。
《レンの書庫》によって置換できるのは、「効果がカードを捨てさせる場合」です。つまり、呪文や能力の解決によってカードが捨てられればよいのです。
また、カードの特定の特性を必要とするコストは支払えません。ただし、そのカードは捨てられます。
以上を踏まえると、
>・知識の渇望でアーティファクトを捨てることを選択てきますか
できません。「アーティファクト・カード」という特性を持つかどうか決定できないため、コストを支払えません。
>・高熱仮説の効果で土地以外を捨てることを置換したなら、高熱仮説の遅延誘発型能力は誘発しますか
そもそも捨てられません。「土地でないカード」という特性を持つかどうか決定できないため、コストを支払えません。
>※(置換することによって)高熱仮説の効果で土地を捨てることができますか
前提が存在しないため割愛します。
>・他のカードの効果によって捨てられるカードがデッキトップに置くことに置換された場合、無駄省きは誘発しますか
>・無駄省きが誘発する場合、クリーチャーカードをデッキトップに戻したなら無駄省きのどの能力が誘発しますか
(おそらく)誘発します。カードの特性は"未定義"ですが、カードは捨てられています。先ほどと異なり、コストとして捨てない場合(例えば《カラスの罪》で捨てる場合)は、単に捨てられたカードの特性が"未定義"であるとされます。特性は"未定義"ですから、「クリーチャーか土地である」という特性を持つことはありません。したがって、何を捨てても一番下の能力が誘発するのではないでしょうか。
正直、マジックにおけるロジックがどう定義されているか不明ですので、これはNetRep案件ですね。然るべきときに、然るべきところへ問い合わせます。
※11/1追記
JNRに問い合わせたところ、「未定義なので、誘発しない」とのことです。
捨てられたカードは、クリーチャーカード、土地カード、クリーチャーでも土地でもないカードのいずれでもない、とのことでした。
さて、一方《荒廃鋼の巨像》についてです。
非公開領域から非公開領域へと移動するときは、最後の情報が使えない…とも考えられますが、ここで708.1cを「逆に」読みます。
つまり、公開されれば、情報を追跡できる=特性をピックアップできるのです。
《荒廃鋼の巨像》は、ライブラリーに切り混ぜられる直前、公開されます。つまり、手札からライブラリーへの移動であっても、最後の情報を利用できると考えられます。
以上を踏まえると、
>知識の渇望
アーティファクト・カードとして捨てられます。公開されるためです。
>高熱仮説
遅延誘発型能力が誘発します。公開されるためです。
>無駄省き
誘発します。公開されるためです。「クリーチャーを捨てたとき~」の能力が誘発します。
申し訳ありませんが、質問の意図を図りかねます…すべてのプレイヤーが「公開する/reveal」することなく「見る/look」シチュエーションが考えられません。
この「見せる」は"show"の訳ですから、効果によって「見る/look」こととは確かに異なるようです。ですが、すべてのプレイヤーが見える状態にあることはそれすなわち公開されている/していることに他ならないのでは?とも思いました。
もし《精神隷属器》で手札のカードを見る話とかをしているのであれば、それは「他のプレイヤーをコントロールする」ルールがそれを許可しているだけの話ですから、公開されているわけではありませんね。
【上段】
加えられます。
《変態変異》によるコピー効果の前後で、《ボーマットの急使》の持つ能力は一見失われていますが、「コピー効果が上書き」しているだけです。コピー効果が終了すれば、もとの特性が再び現れます。新たに能力を「取り戻す」わけではありません。
(直感的には、カードにシールを貼って剥がすようなものです。)
したがって、《ボーマットの急使》の起動型能力は、依然として(関連している能力である)誘発型能力によって追放したカードを追跡することができます。
根拠を強いて挙げるなら、611.1でしょうか。コピー効果はオブジェクトの特性を不定あるいは一定の期間変更する継続的効果で、期間が終われば変更した特性はもとに戻されます。
【下段】
加えられません。
新たにコピーされた《ボーマットの急使》の能力は、過去のコピー効果で得たものとは別です。全く同じ文章を全く同じオブジェクトから得たとしても、各コピー効果は《万面相、ラザーヴ》の特性を「上書き」します。これは、おそらく上記の706.7と、706.2が根拠となると考えられます。
次の質問に、質問箱さんが過去に「『上書き』する」ことを解答していたツイートを引用します。
使用できます。《万面相、ラザーヴ》の能力にある「この能力を持つことを除いて」によって得られるのは、そのコピー効果のなかで得られる能力であって、《偽善者、メアシル》によって得られた能力ではありません。したがって、1ターンに1回の制限を受けることはありません。
コピー効果は、その解決のたびに能力を新しく「上書き」します。イメージとしては、「シールを新しく貼る」か「先に貼ってあるシールを剥がして新しく貼り直す」を行う感じです。
以上、いかがでしたでしょうか。不明点、もっと詳しく聞きたい点などありましたら、ここにコメントしていただくか新しく質問してください。よろしくお願いします。
※私の個人的な見解です。公式性はありません。
※11/1追記しました。
レンの書庫によって捨てることをデッキトップに置くことに置換した場合
・知識の渇望でアーティファクトを捨てることを選択てきますか
・高熱仮説の効果で土地以外を捨てることを置換したなら、高熱仮説の遅延誘発型能力は誘発しますか
※(置換することによって)高熱仮説の効果で土地を捨てることができますか
・他のカードの効果によって捨てられるカードがデッキトップに置くことに置換された場合、無駄省きは誘発しますか
・無駄省きが誘発する場合、クリーチャーカードをデッキトップに戻したなら無駄省きのどの能力が誘発しますか
また※以外の上記各シチュエーションにおいて、レンの書庫ではなく荒廃鋼の巨像によって置換した場合どうなりますか
《レンの書庫》は以下のルールによりフォローされています。
701.8c カードが捨てられ、ただし効果によってオーナーの墓地でなく非公開領域に公開されることなく置かれる場合、そのカードの特性はすべて未定義として扱う。捨てるカードの特性を必要とするコストを支払うためにカードがこの方法で捨てられた場合、そのコストの支払いは不正である。ゲームはコストの支払いが始まる前まで巻き戻される(rule 721〔不正な処理の扱い〕参照)。
ポイントは、
・捨てるイベントの最中、(行き先が変更される上)公開されない
・特性が"未定義"となる
ことです。
素直にCRを読むと、捨てるカードの特性を必要とするコストを支払うためにカードがこの方法で捨てられた場合、そのコストの支払いは不正である。とあります。
《レンの書庫》によって捨てることが置換されるときは、特性をピックアップすることができないため、そういったコストは支払えない、ということです。
おそらく質問された方はもうひとつ、以下の疑問点を持っておられるのではないでしょうか。
「呪文の解決中に『~~する、そうしたなら~~』が起こったとき、それって効果なのか?コストなのか?」
以下のルールから導けます。
117.12. 呪文や起動型能力、誘発型能力の中に、「[ある処理]する。[プレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[Do something]. If [a player] [does, doesn’t or can’t], [effect]」、あるいは「[プレイヤーは][ある処理]してもよい。[そのプレイヤーが][そうした/しなかった/できない]なら、[効果]/[A player] may [do something]. If [that player] [does, doesn’t, or can’t], [effect]」というものがある。この場合の[ある処理]はコストであり、呪文や能力の解決時に支払う。(後略)
609.1. 「効果/effect」とは、呪文や能力の結果としてゲーム内で起こる出来事のことである。呪文や起動型能力、誘発型能力は、解決されると、1つまたは複数の単発的効果または継続的効果を発生させる。
つまり、呪文の解決によって何かをするのは、全て効果です。かつ、その中で「なにかする、そうしたならなにかが起こる」と書いてあるときの「なにかする」はコストです。効果とコストはつい対比して考えがちですが、言うなれば「効果の中でコストを支払う」といえるでしょう。
例えば、《知識の渇望》であれば、「3枚引く、アーティファクト捨てるか2枚捨てるか」までが効果です。その中で、「アーティファクト捨てる」がコストにあたります。
さて、本題に戻ります。
《レンの書庫》によって置換できるのは、「効果がカードを捨てさせる場合」です。つまり、呪文や能力の解決によってカードが捨てられればよいのです。
また、カードの特定の特性を必要とするコストは支払えません。ただし、そのカードは捨てられます。
以上を踏まえると、
>・知識の渇望でアーティファクトを捨てることを選択てきますか
できません。「アーティファクト・カード」という特性を持つかどうか決定できないため、コストを支払えません。
>・高熱仮説の効果で土地以外を捨てることを置換したなら、高熱仮説の遅延誘発型能力は誘発しますか
そもそも捨てられません。「土地でないカード」という特性を持つかどうか決定できないため、コストを支払えません。
>※(置換することによって)高熱仮説の効果で土地を捨てることができますか
前提が存在しないため割愛します。
>・他のカードの効果によって捨てられるカードがデッキトップに置くことに置換された場合、無駄省きは誘発しますか
>・無駄省きが誘発する場合、クリーチャーカードをデッキトップに戻したなら無駄省きのどの能力が誘発しますか
(おそらく)誘発します。カードの特性は"未定義"ですが、カードは捨てられています。先ほどと異なり、コストとして捨てない場合(例えば《カラスの罪》で捨てる場合)は、単に捨てられたカードの特性が"未定義"であるとされます。特性は"未定義"ですから、「クリーチャーか土地である」という特性を持つことはありません。したがって、何を捨てても一番下の能力が誘発するのではないでしょうか。
正直、マジックにおけるロジックがどう定義されているか不明ですので、これはNetRep案件ですね。然るべきときに、然るべきところへ問い合わせます。
※11/1追記
JNRに問い合わせたところ、「未定義なので、誘発しない」とのことです。
捨てられたカードは、クリーチャーカード、土地カード、クリーチャーでも土地でもないカードのいずれでもない、とのことでした。
さて、一方《荒廃鋼の巨像》についてです。
608.2g ゲームの情報(戦場に出ているクリーチャーの数など)を必要とする場合、その値はプレイヤーがその処理を実行する時に一度だけ決定される。効果が、その効果の発生源など特定のオブジェクトの情報を必要とする場合、そのオブジェクトが元あった公開領域にある場合、その現在の情報を使う。すでにそこにない、あるいは効果によって公開領域から非公開領域に移動していた場合、そのオブジェクトの最後の情報を使う。rule 112.7a 参照。オブジェクトが何かすると書いてある能力の場合、実際にそれをするのはその存在する(または直前に存在した)オブジェクトであり、能力ではない。
非公開領域から非公開領域へと移動するときは、最後の情報が使えない…とも考えられますが、ここで708.1cを「逆に」読みます。
つまり、公開されれば、情報を追跡できる=特性をピックアップできるのです。
《荒廃鋼の巨像》は、ライブラリーに切り混ぜられる直前、公開されます。つまり、手札からライブラリーへの移動であっても、最後の情報を利用できると考えられます。
以上を踏まえると、
>知識の渇望
アーティファクト・カードとして捨てられます。公開されるためです。
>高熱仮説
遅延誘発型能力が誘発します。公開されるためです。
>無駄省き
誘発します。公開されるためです。「クリーチャーを捨てたとき~」の能力が誘発します。
ゲームに参加しているプレイヤーすべてが、非公開領域に存在する特定のカードを見ることができる場合、それは公開されていますか?
申し訳ありませんが、質問の意図を図りかねます…すべてのプレイヤーが「公開する/reveal」することなく「見る/look」シチュエーションが考えられません。
701.15a カードを公開するとは、そのカードをしばらくの間すべてのプレイヤーに見せるということである。効果によってカードが公開される場合、その効果のそのカードに関係する部分がすべて終わるまで公開され続ける。呪文を唱えるコストや能力を起動するコストとしてカードが公開される場合、そのカードはその呪文や能力が宣言されてからスタックを離れるまでの間公開され続ける。
この「見せる」は"show"の訳ですから、効果によって「見る/look」こととは確かに異なるようです。ですが、すべてのプレイヤーが見える状態にあることはそれすなわち公開されている/していることに他ならないのでは?とも思いました。
もし《精神隷属器》で手札のカードを見る話とかをしているのであれば、それは「他のプレイヤーをコントロールする」ルールがそれを許可しているだけの話ですから、公開されているわけではありませんね。
一度変態変異によって灰色熊のコピーとなったボーマットの急使が、変態変異が剥がれたのちに生け贄に捧げる能力を使用したとき、変態変異を貼られる以前に自身の能力によって追放したカードを手札に加えられますか
また、万面相ラザーヴが一度ボーマットの急使のコピーになり能力でカードを追放したのち、一度灰色熊のコピーになり、その後もう一度ボーマットの急使のコピーになり生け贄に捧げる能力を使用したとき、一度目にボーマットの急使のコピーになった時追放したカードを手札に加えられますか
【上段】
加えられます。
《変態変異》によるコピー効果の前後で、《ボーマットの急使》の持つ能力は一見失われていますが、「コピー効果が上書き」しているだけです。コピー効果が終了すれば、もとの特性が再び現れます。新たに能力を「取り戻す」わけではありません。
(直感的には、カードにシールを貼って剥がすようなものです。)
したがって、《ボーマットの急使》の起動型能力は、依然として(関連している能力である)誘発型能力によって追放したカードを追跡することができます。
根拠を強いて挙げるなら、611.1でしょうか。コピー効果はオブジェクトの特性を不定あるいは一定の期間変更する継続的効果で、期間が終われば変更した特性はもとに戻されます。
【下段】
加えられません。
706.7. 関連している能力の組がコピーされた場合、コピーしたオブジェクトの得た能力も同様に関連している能力となる。その能力が参照するのは、もう一方の能力によって行なわれた行動や影響されたオブジェクトだけである。そのオブジェクトが現在、あるいは過去にどのような能力を持っていようとも、これらの能力が他の能力と関連することはない。rule 607〔関連している能力〕参照。
新たにコピーされた《ボーマットの急使》の能力は、過去のコピー効果で得たものとは別です。全く同じ文章を全く同じオブジェクトから得たとしても、各コピー効果は《万面相、ラザーヴ》の特性を「上書き」します。これは、おそらく上記の706.7と、706.2が根拠となると考えられます。
次の質問に、質問箱さんが過去に「『上書き』する」ことを解答していたツイートを引用します。
追放領域にある檻カウンターの乗った万面相ラザーヴの能力を得た偽善者メアシルが、その能力によって墓地の灰色熊になったとき、灰色熊になったメアシルは続けてラザーヴの墓地のカードをコピーする能力を使用できますか
(ラザーヴの「この能力を持つ」が元の能力と完全に同一の能力か、それともコピーの際に新しく生成された能力か=メアシルの「一度だけ起動できる」を抜けられるか)
使用できます。《万面相、ラザーヴ》の能力にある「この能力を持つことを除いて」によって得られるのは、そのコピー効果のなかで得られる能力であって、《偽善者、メアシル》によって得られた能力ではありません。したがって、1ターンに1回の制限を受けることはありません。
https://twitter.com/tosaken__/status/900893827552100352
@testing_box メアシルについて質問させてください。メアシルが蜃気楼の鏡や先祖の鏡の効果を持ち、自分自身をコピーした場合、起動効果の1ターン一回制限は解かれるでしょうか?
https://twitter.com/testing_box/status/900898844044611584
. @tosaken__ はい。コピー効果によって能力を新しく「上書き」されるので、コピーする以前に起動した回数は無関係になります。
コピー効果は、その解決のたびに能力を新しく「上書き」します。イメージとしては、「シールを新しく貼る」か「先に貼ってあるシールを剥がして新しく貼り直す」を行う感じです。
以上、いかがでしたでしょうか。不明点、もっと詳しく聞きたい点などありましたら、ここにコメントしていただくか新しく質問してください。よろしくお願いします。
コメント
質問の意図としては前回のウルザのガラクタについての回答を見た際
「701.15d プレイヤーに、1枚または複数のカードを見るように指示する効果が存在する。カードを見ることは、そのカードがその特定のプレイヤーにだけ見せられることを除いて、カードを公開することに関するルールに従う。」
「402.3 プレイヤーはその手札を便利なように並べることができ、いつでも見ることができる。」
から、701.15dを逆から読むことによってウルザのガラクタによって見られているカードはすべてのプレイヤーが見ている
→特定のプレイヤーではなくすべてのプレイヤーが見ている=公開されている
→公開されていることは見ることとCR的に区別されるのではないか?
という意図の質問でした
キーワード処理である「公開する/reveal」のルールの制約下にある「見る/look」と、自然言語の「見る/look」はおそらく異なります。
402.3には「look at it at any time」とありますが、これは単発的あるいは継続的効果によって「見る」ことを許可されているのとは別の話ではないでしょうか。