今日はルールというより、このゲームとのつきあい方みたいな話。



マジックには、ルールの盲点を抱えるカードが多々あります。ここでいう盲点というのは、「CRでサポートされていないこと」を指します。俗に言う「未解決問題」よりは、ゲームの進行に影響を及ぼさないものを想定してお話しします。多少乱暴に言うと、「普通にゲームをする上ではなんら支障がないこと」です。

たとえば、《森の知恵》が参照する「このターン引いたカード」とは何か、CRのどこにも書いてありません。その他、古いカードから新しいカードまで、CRに直接書いていないことを参照するものは多々あります。

さて、そのようなカードを使うとき、それが抱える盲点から生じる問題があります。《森の知恵》で言えば、引いたカードを手札に混ぜてしまったときどうするか、といったことです。
この場合の詳細な取り扱いは、実際の状況によって判断が異なるため割愛しますが、そもそもCRを読むだけでは全く解決しません。「ポリシー」と呼ばれる領域の話になります。

他にもCRに書いていないことを参照するカードは数多く存在しますが、果たしてそのようなカードは使われないでしょうか?もちろんそんなことはありません。例に挙げた《森の知恵》は非常に強力なカードであり、よく見かけます。
そう、よく見かけるのです。盲点を抱えるカードですが、大抵の場合ちゃんと使えています。
ただ先ほど言った通り、取り扱いに注意が必要なことは確かです。考えなしに使えるカードではありません。

ここでひとつ考えてみましょう。その「注意」をしなければならないのは、いったい何故でしょう。
そう、そのカードに盲点があるからです。
しかし、そのカードをデッキに入れているのは誰ですか?
そう、もちろんデッキを組んだ人、あなたです。(借りることもあるとか屁理屈言わないでね)
そしてそのカードを使おうとして使うのは、デッキを組んだ人(そしてデッキを使う人)です。それに盲点があることを知っていても知らなくても、そのカードが強力だから使いたい、という意思をもってデッキに入れたはずです。

さて、もう一度考えましょう。盲点のあるカードについて「注意」をしなければならないのは、いったい"誰"でしょう。
そう、もちろんあなたです。カードをデッキに入れたのですから。
つまり、盲点を持つカードを使うときは、そのカードが強力であることと、注意をしなければならないこと、両方とも受け入れることが必要なのではないでしょうか。

つまり、《森の知恵》でカードを追加で引きたい!という人は、「このターン引いたカード」の取り扱いにも慎重になる責任があると、私は思います。
盲点から生じるメリットもデメリットも受け入れられる人こそ、そのカードを使うべきでしょう。


これまでお話しした内容は、次に挙げるカードも同様に考えられます。
・CRでサポートされてはいるが、実際の使用に著しい不便があるもの(エキスパンション参照カードetc)
・CRでサポートされてはいるが、あまりに古かったり使われてなかったりするもの(バンド、フェイジングetc)
・CRでサポートされてはいるが、ルールが難解なもの(謙虚etc)

どんなカードを使うときも、カードが抱える問題から生じるものは使う側が自ら負わなければならないのではないでしょうか。


さて、一応補足しておきますが、私は「未解決問題」や「盲点」は仕方ないからそのまま受け入れようよ、ということを言いたいわけではありません。すぐとは行かなくても、盲点は将来解決されるべきだと思います。
私のコーナーケース箱でもその盲点を取り扱うことが多いですが、「普通にゲームをする上ではなんら支障がないこと」であることが大半です。しかし、束縛スクイーの話のように、目に見えて支障が起こることもあります。
こういった盲点を追い求めることについて、私はとても肯定的です(でなければコーナーケース箱は作りません)。
ただ私が言いたいのは、そのような盲点を突いてメリットを得るなら、その盲点がもたらすデメリットは使う人が受け入れなければいけないことじゃないか、ということです。
不安定な挙動は改められるべきですが、それでもそのカードを使うだけの理由があるなら、不安定な挙動からもたらされるもの(ジャッジによって裁定が違う、などなど)には目をつぶるしかないのかな、と思います。


同じことの繰り返しになってしまうので最後にしますが、盲点はいいことも悪いことも引き起こします。メリットだけを享受することはできません。

MTGのルールは論理的で非常によくできています。他TCG(何とは言いませんが)の裁定例など見ていると、本当に強く思います。
しかし、みなさんご存知のMTGの黄金律「カードはルールに勝つ」が存在するが故に、いくつもの盲点を抱えています。それは、ルールを破壊するという強力な効果の代償として、やむなく存在するものでしょう。

好きなカードを好きなように使いましょう。このすばらしいゲームの強力なカードを使いましょう。そしてその強力さから生じるものは、なんだよ未整備かよと文句を言いながらも、代償として受け入れましょう。

そんなところでした。長文に目を通していただき、ありがとうございました。

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