年の瀬、いかがお過ごしでしょうか。
今年最後のコーナーケース箱です。

※個人的な見解です。公式性はありません。
※大会ではヘッドジャッジの裁定に従ってください。


自身は《技を借りる者》をコントロールしており、その能力によって公開されている自身のライブラリートップは《ルートワラ》です。マナは十分にあり、既にこのターン《技を借りるもの》は現在公開されている《ルートワラ》の起動型能力を一度起動しています。この時

①《時間の把握》を唱え、その解決時の処理によってライブラリーの一番上から二番目のカードを手札に加え、三番目のカードをライブラリーボトムに送り、公開されていた一番上の《ルートワラ》をライブラリーの一番上に起きました。その後、《技を借りる者》は《ルートワラ》の能力を起動することができますか?

② ①の場合において残りのライブラリーが二枚であり、二番目のカードを手札に加え、一番上の《ルートワラ》をライブラリーボトムに置きました(この時点でライブラリーは一枚です)。その後、《技を借りる者》は《ルートワラ》の能力を起動することができますか?

③なんらかの能力によって、ライブラリーをシャッフルすることになりました。ライブラリーをシャッフルする際、偶然にも完全なる無作為化を行った結果としてライブラリートップの《ルートワラ》がライブラリートップを離れることなくシャッフルが終了しました。その後、《技を借りる者》は《ルートワラ》の能力を起動することができますか?

④なんらかの能力によって、ライブラリーをシャッフルすることになりました。この時ライブラリーが一枚(公開されている《ルートワラ》)しか存在しなかった場合、シャッフル後《技を借りる者》は《ルートワラ》の能力を起動することができますか?

⑤残りライブラリーが《ルートワラ》を含めて五枚の時、自身が《エルフの再生者》を戦場に出し、その誘発型能力によって残ったライブラリー五枚すべてを見ました。土地は見つからず、その五枚は無作為にライブラリーボトムに送られますが、この時無作為にボトムに送った結果、処理後にライブラリーの一番上で公開されたのが《ルートワラ》だった場合、《技を借りる者》は《ルートワラ》の能力を起動することができますか?

⑥ ⑤の場合においてライブラリーが五枚ではなく一枚(《ルートワラ》)のみだった場合、《エルフの再生者》の誘発型能力解決後、《技を借りる者》は《ルートワラ》の能力を起動することができますか?


401.6に従うと、一瞬でも非公開になると新しいオブジェクトになると考えられます。
新しいオブジェクト由来の起動型能力を持つならば、それは過去に持っていた起動型能力の制限とは関係しなくなります。
翻って考えれば、非公開になりさえしなければ、能力を得る部分はそのオブジェクトを追い続けるでしょう。

以上を踏まえて答えますと、

①できません。それは公開されたままです。
②できません。①と差はありません。
③そもそも、「切り直しの間ライブラリートップ以外の場所に切り混ぜられていたが、切り直しの結果最終的にライブラリートップに戻ってきた」以外を意味しているのであれば、そもそも無作為化の要件を満たしません(位置が分かっているため)ので、前提が不適です。もし「切り直しの結果戻ってきた」を意味しているのであれば、それは新しいオブジェクトになっています。したがって起動できます。
(順番を無作為にする行為によって順番が保存されないのは無作為の定義上自明です。無作為化によって「ライブラリートップが存在しない」タイミングを経ているので、新しいオブジェクトとなるでしょう。)
④できます。明らかに順番が変わっていない場合でも、無作為化を行う間はライブラリートップが存在しないため(そうでないと物理的に切り直せませんし、論理的にも追いかけるべきものを正当に定める方法がありません)、新しいオブジェクトになると考えられます。
⑤できます。前のライブラリートップと同一でないのは、無作為の定義上明らかです。
⑥できます。④と同様です。

①戦場に《墓掘りの檻》があるとき、《快速ウォーカイト》の能力で墓地の《灰色熊》を戦場に戻そうとし、《檻》の能力によって墓地に留まりました。次の終了ステップ開始時、墓地の《灰色熊》カードは手札に戻りますか?
②戦場に《墓掘りの檻》があるとき、《死者の呪文書》のタップサクリファイス能力を起動し墓地のすべてのクリーチャーカードを戻そうとし、《檻》の能力によって墓地に留まりました。それらのカードは墓地にあるかぎり黒でありゾンビであり続けますか?
③戦場に《墓掘りの檻》があるとき、《死者の王、ケルゥ》の誘発型能力によって無作為に選ばれた《灰色熊》を戦場に戻そうとし、《檻》の能力によって墓地に留まりました。この《灰色熊》カードは次の終了ステップ開始時に追放されますか?
④戦場に《墓掘りの檻》があるとき、《死者の王、ケルゥ》の誘発型能力によって無作為に選ばれた《灰色熊》カードを戦場に戻そうとし、《檻》の能力によって墓地に留まりました。この《灰色熊》カードは墓地で飛行とトランプルと速攻を得ますか?また得る場合、この《灰色熊》カードを探査コストとし《魂剥ぎ》を唱えた場合、《魂剥ぎ》は飛行とトランプルと速攻を得ますか?
⑤戦場に《封じ込める僧侶》があるとき、《快速ウォーカイト》の能力で墓地の《灰色熊》を戦場に戻そうとし、《僧侶》の能力によって戦場に出ることを置換され追放領域に移動しました。次の終了ステップ開始時、追放領域の《灰色熊》カードは手札に戻りますか?


領域を移動したオブジェクトは、400.7に定められている例外を除いて記憶を失います。逆に考えると、領域に留まり続けている限り、記憶を持ち続けます。

①戻ります。戦場に戻す部分が失敗するだけで、残りの部分は行われます。
②そのようになります。
③追放されます。
④能力を得るでしょう。墓地で能力を持っていますので、魂剥ぎで参照できます。
⑤戻ります。直接追放領域へ移動していますので、400.7hで見つけられます。それは記憶を持っています。


自身の墓地の一番上のカードが《戦墓のグール》のとき、いずれかの領域から出る、自身がコントロールすることになる《ヴォルラスの多相の戦士》はタップ状態で戦場に出ますか?
(以前の回答にありました《カロニアのハイドラ》《影武者》の例からの質問です)



タップ状態で出ます(614.12)。以前の「私の」回答は修正します。
戦場で取るであろう特性を見るにあたって、文章変更効果も「そのパーマネント自身の常在型能力からの継続的効果でそのパーマネントが戦場に存在するようになった後で適用されることになるもの」に該当すると考えられます。

#くれぐれも、この回答を根拠としてMTG質問箱さんを問いただすことなど無いようにお願いします。
#単に問い合わせることを私は制限しませんが、あちらがどう受けとるかについてまで私は責任を持ちません。


自身は《正気泥棒》と《安らかなる眠り》をコントロールしています。この状態で《正気泥棒》が対戦相手に戦闘ダメージを与え、対戦相手のライブラリートップを三枚見、一枚をその能力で裏向きに追放し残りを能力によって墓地に置こうとしたところ、《安らかなる眠り》により、本来墓地に置かれるはずだったカードは置換され表向きで追放されました。
この時表向きで追放されたカード(本来墓地に置かれるはずだったカード)は《正気泥棒》の後半の唱えられるようにする能力によって唱えられますか?


結論としては唱えられません。
《正気泥棒》のオラクルは次の通りです。

Flying
Whenever Thief of Sanity deals combat damage to a player, look at the top three cards of that player’s library, exile one of them face down, then put the rest into their graveyard. For as long as that card remains exiled, you may look at it, you may cast it, and you may spend mana as though it were mana of any type to cast that spell.


英語の表現の話になりますが、後半の"that card"が指しているのは"one of them"であって"the rest"ではないと読めます。残りのカードが追放されたかどうかは見ていないでしょう。



以上、いかがでしたでしょうか。

今年でコーナーケース箱は無事1周年を迎えられました。
沢山の興味深いコーナーケースを提供していただき、感謝の念に堪えません。
来年も何卒よろしくお願いいたします。

それでは、よいお年をお迎えください。

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